旧約聖書にはヨセフという人が登場します。彼は12人兄弟の11番目でした。あるとき夢を見ました。お兄さんたちの麦の束が、ヨセフの麦の束に向かってお辞儀をしているという夢でした。
お兄さんたちはヨセフの夢に憤りました。ヨセフが自分たちを支配しようというのかと。やがてお兄さんたちはヨセフを殺そうと思いようになりました。
お兄さんたちによって穴に投げ込まれたヨセフは、そこから出ることができなくなりました。しかし通りかかった外国人の商人たちが、ヨセフを穴から引き揚げ、エジプトの国に奴隷として売ってしまったのです。
しかし神様はエジプトでも、ヨセフの夢を説き明かす才能を用いられました。エジプトの王が夢を見たのですが、説き明かす者はだれもいませんでした。
奴隷であったヨセフが呼び出され、王の夢を説き明かしたのです。こうしてヨセフは王に取り立てられてエジプトの総理大臣になりました。
やがてエジプトにも、お兄さんたちが住んでいたカナン地方にも飢饉が襲います。しかしエジプトには豊作の間に蓄えておいたたくさんの食料がありました。
お兄さんたちは食料を求めてエジプトにやってきます。その時、食料を管理する責任者だった総理大臣のヨセフがお兄さんたちと対面します。
しかしお兄さんたちはその総理大臣がヨセフだとは夢にも思いませんでした。こうしてヨセフとお兄さんたちは劇的な対面を果たしたのです。
お兄さんたちは自分たちが過去にヨセフを殺そうとしていたことを思い出し、恐ろしくなりました。総理大臣のヨセフから仕返しをされるのではないかと思ったからです。
しかしヨセフは言いました。「神様は悪いことも善いことに変えてくださいます」と。ヨセフにはいつも神様が一緒にいてくださいました。
だから自分がお兄さんたちに殺されそうになったことをとおして、神様はヨセフをエジプトの総理大臣にしたのだ。それによって神様が、お兄さんたちを飢饉から救ってくださったのだと。
神様というお方は、私たち一人ひとりのことを見ておられます。そして起こって来る悪いことも、結果として必ず善いことに変えてくださいます。
その神様を信じて安心して歩んでください。