ある金持ちの議員がイエス様に質問しました。「先生、何をすれば永遠の命を得ることができますか?」と。永遠の命とは、永遠に変わることのない神様といつも一緒にいられる生き方です。
イエス様は議員に答えました。「殺してはいけない。盗んではいけない。嘘を言ってはいけない。父母を敬いなさい。」と。議員は答えました。「それは子供の時から守っています。」
すると、イエス様は議員に言いました。「あなたに欠けているものがまだ一つある。持っているものをすべて売り払い、貧しい人々に分けてやりなさい。」議員はびっくりしました。
そして悲しみながらイエス様のもとを離れて行ったのです。イエス様が議員に答えた「殺してはいけない。盗んではいけない。・・・」という掟は、「心の中で思ってもいけない」という厳しいものでした。
しかし議員は実際に殺したり、盗んだりしなければ大丈夫だ、だから全部守っていますと答えたのでした。しかしイエス様が言われた掟の内容は、人間には守ることができない厳しいものだったのです。
それは持っている財産を売り払うことよりも厳しいものだったのです。なぜイエス様は、人間に守ることのできない厳しい掟を示されたのでしょうか。議員のようにそこから立ち去るのではなく、
「イエス様、わたしには守ることができません」、「でも守ることができるようにしてください。そして神様と一緒にいることができるようにしてください」と願うならば、神様はそのことを実現してくださるのです。