2023年の夏は記録的な猛暑となっています。毎年少しずつ上昇している平均気温は40年、50年その上昇が続くと、驚くほどの数字になって跳ね返ってくることを実感します。
地球温暖化の流れを食い止めることは難しくなっているのでしょうか。科学技術が進歩し私たちの生活の質は向上しています。
一方で地球温暖化によって、人類の生存が脅かされつつある現実を目の当たりにするとき、私たち人間とは何者なのかを問われているような気がします。
旧約聖書にはバベルの塔の物語が記されています。文明の進歩と共に人々は高い技術を身に付けました。そして彼らは高い塔を造り始めたのです。
「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」(旧約聖書創世記11章4節)と。
人々は有名になろうとしました。その先には天にまで届く力を誇ろうとの思いがあったのです。人々は文明の進歩によって神になることすらできると考えたのかもしれません。
しかし神は、一つの言葉によってまとまっていた人々の言葉を乱すことによって、それ以上塔を建設することができないようにされたのでした。
人間とは何者なのでしょうか。旧約聖書の詩編という書物が語ります。「神に僅かに劣るものとして人を造り/なお、栄光と威光を冠としていただかせ/
御手によって造られたものをすべて治めるように/その足もとにおかれました。」(旧約聖書詩編8編6〜7節)と。人間は神に似せて造られたものです。
だから神の力によって素晴らしい業をなすことはができます。しかし、決して神にはなれないのです。神をしっかりと見つめながら、
神から与えられた力を神のために用いなければならない。今いろいろな問題を通して、このことが問われているのではないかと思います。