教会のすぐ隣りのアパ−トが、居住者の引っ越しに全く気付かないうちに、急に取り壊されました。
ある個人の方が自宅を建てるために購入したそうで、これから工事が始まって4階建ての家が建つことになっています。
どんな資産家の方が教会の新たな隣人となるのでしょうか?興味深々です。
前の2階建てのアパ−トはわずか10日で完全に更地となりましたが、本当に破壊はあっという間で、とても勿体ない気もします。
つい2年程前には外壁のお色直しがなされたばかりで、まだまだ何年も十分に使える建物でした。しかし、新しくもっと良い家が建てられるために取り壊されました。
建て直しのための破壊、これは私たち人間についても当てはまることだと思います。
神が、実は正にそのような仕方で、私たちを新たに生れ変わらせてくださるのです。
私たちのうちに深く宿る罪深い自我を取り除くために、神はあえて色々な痛みと苦しみの道を通らせ、私たちを新しい人へと再生して導いてくださいます。
イエスは、ご自分の死と復活を予言して、「この神殿を壊してみよ。(私は)三日で建て直してみせる」と言われましたが、イエスの死と共に打ち壊されることになったのは、エルサレムの神殿に象徴されるそれまでの古い礼拝制度であり、またイエスの弟子たちのうちにあった間違った神の国の理解や人生観また自己理解でした。
ペトロがその代表的な例として取り上げられますが、ペトロはイエスが逮捕される前は、「たとえ、みんながあなたにつまづいても、わたしたは決してつまづきません」と、自信をもって言い放ったのでした。
ところが、いざその時がくると、彼は三度もイエスを否定してしまい、後悔して激しく泣くことになりました。
このペトロに限らず、他のイエスの弟子たちも皆イエスの死に直面し、古い自己に打ちのめされる経験をしたのでした。
ところが、イエスの復活を目の当たりにして、弟子たちは立ち直りました。
復活の主キリストが彼らを立ち直らせてくださったのです。
やがて約束の聖霊を彼らの心に豊かに注いで、イエスは彼らを全く新たにされました。
そしてこの恵みと祝福は今日の私たちにも約束されているのです。
6月4日はその出来事(聖霊降臨)を記念する祝祭日(ペンテコステ)ですが、キリストの教会(神の新しい神殿)は正しくこの日に誕生することになったのです。